LCCの安全基準は大手航空会社と同クラスであり、LCCだから危険なのではないかとは考えにくい。だが、LCCは低価格の航空券を販売しているために「安かろう、悪かろう」とネガティブに考えてしまう方もいるだろう。そこで漠然と抱く不安の事柄を考察してLCCは安全に乗れる飛行機であることを確かめてみよう。
発展途上国のLCCなどでは、欧米の航空会社の機材を再利用することはあるが、日本のLCCではそのようなことは少なく、多くを新機材で運行している。なぜなら、新機材を使用する方が、運行や機材のメンテナンスなどのパフォーマンスが良く、コストを低減しやすいという利点があるためだ。
先にも述べたように、日本のLCCは新機材を使うケースが多く、基本的に新機材の方が故障の発生率が低くメンテナンスを容易にしてくれるので、このことだけでも安全性を確保しやすくなっていると考えられる。また、運行コストの面からもできるだけ少ない種類の機材を保有しているLCCは整備士の技の体得も早く、整備スキルが大手航空会社に劣るとは考えにくい。また、大手航空会社へ整備作業をアウトソーシングしているLCCもあり、整備のレベルは大手航空会社と同等であると考えられる。
基本的にLCCでは新卒採用を行わず、即戦力となる中途採用でパイロットを募集している。国内外の航空会社で活躍してきた高スキルの人が採用されるので、パイロットの技術に問題はないと言えるだろう。