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紅葉の奈良公園

国宝や世界遺産を有する公園
雄大な公園一帯が紅葉色に染まる

いわずと知れた奈良を代表する観光地・奈良公園（ならこうえん）。奈良市にある若草山の麓（ふもと）に広がる都市公園である。周辺には東大寺（とうだいじ）や興福寺（こうふくじ）、春日大社（かすがたいしゃ）などの世界遺産や文化施設などが点在し、これらを含めたエリアすべてを奈良公園と呼んでいる。総面積は東西約4キロメートル、南北約2キロメートルに及ぶ。公園内には約1200頭にのぼる鹿が生息しており、国の天然記念物に指定されている鹿は観光客に親しまれている。

秋が深まると、若草山を背に公園内のいたるところが鮮やかな紅葉に包まれる。園内ではナンキンハゼや銀杏、楓など多種類の紅葉を楽しむことができ、紅葉と常緑樹のコントラストも美しい。奈良時代の代表的な寺院であり、「奈良の大仏」で知られる東大寺も広い境内のあちらこちらが紅葉に彩られる。大仏殿や鏡池をはじめ、二月堂、三月堂のあたりは特に見応えがあり、銀杏が散って一面が黄色く染まった正倉院（しょうそういん）周辺は儚（はかな）く、もの寂しささえ感じられる。

興福寺では猿沢池に映りこむ紅葉に越しに見る五重塔が印象的で、古都奈良らしい風情豊かな光景だ。春日大社の朱塗りの社殿付近に色づく銀杏ははっとするような美しさで、自然との調和が目を楽しませてくれる。

園内ではどこへ行っても鹿がいて、降り積もる紅葉の上で戯れる鹿は愛らしく絵になる。雄大な公園をゆっくりと散策してお気に入りの紅葉スポットを見つけたら、しっかりと写真におさめておこう。